会長ご挨拶


平成25年度をむかえるにあたって


     全国コンクリート製品協会東北支部 支部長  前田 直之


 平素より全国コンクリート製品協会東北支部の事業運営につきまして、多大なるご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
 未曾有の大災害でありました東日本大震災から2年が経過いたしました。今もなお、住み慣れた故郷を離れて生活をされている方々や仮設住宅での不自由な暮らしを余儀なくされている方々に心からお見舞い申し上げます。
 震災復興元年と位置づけられた昨年度は、多くの自治体で復興計画が策定され具体的な事業に着手するなど、新しい街づくりが一歩一歩着実に進み出した一年でありました。今回の震災における被害の大部分は津波によってもたらされたために、被災前にあった元の場所に街を再建することができません。自治体機能そのものも大きく損なわれた状況で住民の方々の合意を取り付けて新しい街づくりを行うことは想像以上の困難を伴います。しかし、その困難を知恵と勇気を結集して乗り越え、一日も早い復興を遂げることは、被災地だけでなく我が国すべての人々の共通の願いでもあります。
 ここ東北において、人々の暮らしを支えるコンクリート製品の供給を生業とする私たちは、その願いを形にする為に、企業の枠を超えて業界を挙げて共に努力を続けていかねばなりません。
 話を業界周辺に向けてみますと一昨年度は震災の影響で開催を見合わせたEE東北でしたが、平成24年10月24、25日の両日「世界が驚く復興目指せ!新技術が築く未来の東北」というキャッチコピーのもと夢メッセみやぎで開催されました。復興に資する技術をPRし、その技術を用いて復興の歩みを加速させようと、産学官の関係者に加え学生・生徒を含む一般の方々など多くの来場者で賑わいました。
 当支部も実行委員会の構成団体の一つとして運営に積極的に携わるとともに、せっかくの機会に一人でも多くの業界関係者に来場していただき、私たち業界全体のレベルアップに資するよう、例年、別々に開催していた東北6県JIS工場管理者講習会をEE東北と同日、同会場で開催しました。
 平成25年度も6月5日と6日の両日、同じ会場にてEE東北’13を開催予定です。可能であれば前述の講習会も同時開催とするべく関係各部署との調整を進めてまいりたいと考えております。そして、業界として必要な研鎖を積みつつ、復興に貢献するコンクリート製品群と関連技術を会員企業の皆様と一緒になってアピールしてまいります。
 
 昨年末には「コンクリートから人へ」という民主党政権が終わり、自公連立政権が誕生しました。国土強靭化の旗印の下、被災地のみならず日本全国において公共工事の増加が見込まれます。それは決して目先の景気対策のためではなく、真に「強い日本」、「自信の持てる日本」を取り戻すべく、その基礎となる国民の安心と安全を守るためのものであります。その一翼を担うコンクリート製品群に寄せられる期待は日に日に大きくなっております。
 我が国におけるコンクリート構造物の8割以上は現場打ち、すなわち、生コンによって現場製作されており、私たちの工場で製作するコンクリート製品の比率は欧米諸国の約半分の15%弱程度と言われております。現場打ち、工場製品それぞれに一長一短があり一概にどちらが有利とは言い難いのですが、今般の復興関連のコンクリート構造物の製作にあたっては、骨材等の資材不足やミキサー車等の機材不足からくる生コンの供給不安、さらには、熟練技能者の高齢化による現場技術者の不足等もあり、天候に左右されず工場で安定した品質を作り込むことができ、仮設材の使用量を減らして安全面でも効果の高いコンクリート製品を積極的に採用いただくケースが増えております。
 しかし、私たちはその環境にただ甘えていることはできません。今まで業界として為すべきであったことを先送りにしてきたツケがここにきて噴出してきております。すでに業界の多くの企業が古くからの商慣習から脱却し、特に汎用品と言われる製品群の多くを半受注生産に切り替えていたにもかかわらず、「コンクリート製品は注文すればすぐに届くもの」という先入観が今もなお根強く残っております。急な数量増や短納期への業界の対応の遅さにクレームがつくのは、単に理解不足だけで済まされる話ではなく、日頃からの情報共有の在り方自体を見直さねばなりません。また、単純に現場打ちと比べてコスト高と言われる点においても、型枠投資と短納期対応とのバランスや品質確保に必要なコストなど、私たちの説明不足の点が多々あります。
 そういった課題を一つ一つ丁寧に解決するために、国・県・市町村等の発注者、民間お施主、コンサル、設計事務所、商社、セメントをはじめとする材料メーカー、運送業者等、すべての関係者の方々と一緒になって知恵を持ち寄り、より良い解決に向かつて努力していくことが求められています。
 当支部は広くコンクリート製品全般の共通課題解決のプラットフォームとなるべく、その組織を大きく変化させる過渡期を迎えております。被災3県はもとより、新しい東北をつくる仕事をしたい、その想いをすべての関係する皆様と共有し、そして実現できる一年にしたいと考えております。
 どうか、皆様方におかれましては、変わらぬご支援とご指導を賜りますようにお願いいたしまして、新年度を迎えるにあたってのご挨拶といたします。

 
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