会長ご挨拶


復興の先を見据えて(平成28年度へ向けて)


  一般社団法人東北コンクリート製品協会 会長  前田 直之


 東北コンクリート製品協会が発足して3年目を迎えます。「オール東北」を標榜しての発足以来、関係各位の熱心なご指導と多大なるご協力のおかげをもちまして、震災からの復興と国土強靭化の最前線で日々活躍するコンクリート製品業界の窓口として内外から評価していただける団体へと進化しつつありますことに深く感謝申し上げます。

 今年もコンクリートポール・パイル協会東北支部、全国ヒューム管協会東北支部と当協会の共催で開催いたしました新年賀詞交歓会には、関係諸機関・団体からのご来賓も含めて約100名の参加者にお集まりいただきました。その席上、震災から5年が経過し、集中復興期間から復興・創生期間へと移行する中で、コンクリート製品業界の役割も変化していかねばならないという認識を参加された皆さんと共有することができました。

 これまでは、施工現場の技術者の不足や生コン等建設資材の不足により、現場打ちの構造物からコンクリート製品の需要が急増しましたが、生コン需給がひっ迫したからコンクリート製品で、安定したら現場打ちに戻るのではなく、これから本格的に突入する人口減少社会において、現場の技術者や熟練作業者の不足を補うためにコンクリート製品にしかできないことを確立し、現場打ちと製品の双方の長所を尊重しながら社会基盤整備に貢献する道を模索すべきです。

 昨年度から当協会で取り組んでいることの一つは、東北特有の気候風土を考慮しつつ、施工現場における品質レベルと同等以上の製品および構造物の品質確保の方策を見出すことです。各発注者、建設業協会、建設コンサルタント協会、それに大学の先生方のご指導を仰ぎながら、コンクリート製品製造工場における基準づくりを今後も進めてまいります。

 また、東北にはまだまだ多くの未利用資源があり、コンクリート製品によって有用物に生まれ変わる可能性もあります。フライアッシュ、各種スラグ等、すでに実用化されているものも含め、東北における利活用の指針づくりを上記の方々や周辺団体とも連携しながら進めてまいります。

 さらに、今まで整備されてきた社会インフラの保全、更新に対して、製品だけでなく構造物としての長寿命化やメンテナンスの簡素化などの視点から製品業界が貢献できる方策を模索していきたいと考えております。

 今、日本の社会全体が大きな転換期を迎えようとしております。施工現場の生産性向上と安全確保という大命題に対して、私たちは単なる製品製造という範疇を超えて貢献していかなくてはなりません。そして、それこそが復興の先にある私たちのコンクリート製品業界の生きる道であると確信しております。それらの成果を皆様と共有しつつ、これからの社会基盤整備のあり方や当協会の進むべき方向について活発に議論をして、実現に向けて努力してまいります。本当の意味でのオール東北、オールPCa(プレキャスト)というには課題も多く、越えなければならない山もたくさんございますが、どうか皆様方の変わらぬ力強いご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。